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〇 民法483条(特定物の現状による引渡し)(平成29年改正)
債権の目的が特定物の引渡しである場合において、
契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができないときは、
弁済をする者は、その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。
旧483条(特定物の現状による引渡し)
債権の目的が特定物の引渡しであるときは、弁済をする者は、その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。
1 契約に基づく特定物の引渡義務のみならず、法定債権に基づく引渡義務(不当利得返還債務)にも適用される。
2 まずは、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして、品質を決めることとなる。
〇 民法484条(弁済の場所及び時間)(平成29年改正)
1項 弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。
2項 法令又は慣習により取引時間の定めがあるときは、その取引時間内に限り、弁済し、又は弁済の請求をすることができる。
旧484条
弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。
2項 取引時間内における弁済及び弁済請求についての商法520条等の規律を新設したものである。これより、商法520条は削除された。
〇 民法485条(弁済の費用)
弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。
ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。
弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。
1 改正前の法では、「受取証書の交付請」と「弁済」とが引換給付の関係にあると解されていたが、この解釈を明文化した。
2 受領権者が受取証書を交付しないために債務者が弁済を拒絶した場合
債務者が弁済の提供をしているので、受領拒絶・受領遅滞の効果が生じる。
同種の給付を目的とする数個の債務がある場合の充当
【改正法】
民法488条
(同種の給付を目的とする数個の債務がある場合の充当)
債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、
弁済として提供した給付が全ての債務を消滅させるのに足りないとき(次条第1項に規定する場合を除く。)は、
弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。
2 弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、
弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。
ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。
3 前2項の場合による弁済の充当の指定は、相手方に対する意思表示によってする。
4 弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第1項又は第2項の規定による指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。
① 債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する。
② 全ての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。
③ 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。
④ 前2号に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。
【改正前の法】
民法488条(指定充当)・489条(法定充当)
【解説】
弁済の充当について規定を整備した。
旧488条 → 新488条1項~3項
旧489条 → 新488条4項
実質的な変更はない。
(元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当)
【改正法】
民法489条
1項 債務者が1個又は数個の債務について
元本のほか利息及び費用を支払うべき場合
(債務者が数個の債務を負担する場合にあっては、同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担するときに限りる。)において、
弁済をする者がその債務の全部を消滅させるに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。
2項 前条の規定は、前項の場合において、費用、利息又は元本のいずれかの全てを消滅させるに足りない給付をしたときについて準用する。
【改正前の法】
491条
1項 債務者が1個又は数個の債務について
元本のほか利息及び費用を支払うべき場合において、
弁済をする者がその債務の全部を消滅させるに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。
2項 第489条の規定(法定充当)は、前項の場合において準用する。
【解説】
1 費用→利息→元本の充当順は、改正前後で同じ。
2 費用・費用間、利息・利息間、元本・元本間
指定充当(優先) → 法定充当 > 新489条2項
合意による弁済の充当
【改正法】<新設>
前2条の規定にかかわらず、弁済をする者と弁済を受領する者との間に弁済の充当の順序に関する合意があるときは、その順序に従い、その弁済を充当する。
【解説】
旧法においても弁済充当に関する規定は任意規定と解されていたが、新法においてその旨明らかにした。