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借地借家法-第二章借地-第二節借地権の効力

借地借家法 第2章 借地
第2節 借地権の効力
(10条~16条)

〇 借地借家法10条(借地権の対抗力)

1項 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。

2項 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。

 ただし、建物の滅失があった日から2年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る

 

1 地上建物の登記による借地権の対抗力(本条1項)

(1)趣旨

 借地権の公示を建物所有権の公示をもって代用する。

 借地権者が地上に登記した建物を所有していれば、同土地の所有権に利害関係を有する者は、地上建物の登記名義により、その名義人が地上に建物を所有することができる借地権を有することを推知できる。 → 借地権そのものの登記なしに、借地者に借地権を主張させても、土地を取引する第三者に不測の損害を被らせるおそれはない。

(2)解釈

① 権利に関する登記のほか、表示に関する登記も含まれる。最判昭和50年2月13日

② 他人名義の登記

ⅰ 借地権者の家族名義の登記、建物を譲渡担保設定目的で他人に所有権を移転し、その他人名義

ⅱ 否定説(判例)

(1)の趣旨 → a建物所有者=借地権者 b建物の所有名義人=建物所有者

 

〇 借地借家法11条(地代等増減請求権)

1項 地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、

 土地に対する租税その他の公課の増減により、

 土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、

 又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、

契約の条件にかかわらず、

当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。

 ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

2項 地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。

 ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。

3項 地代等の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等の支払を請求することができる。

 ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた地代等の額を超えるときは、その超過額に年1割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

1 意義

 借地契約=長期にわたる継続的関係

 契約当初に合意された借地料が、その後の経済・社会事情の変動により不相当になる場合 but 当事者間で、借地料を改定を合意することは現実として難しい。

→ 形成権として、地代等増減額請求権を法定した。

2 一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合(地代等不増額特約)を除く。本条1項ただし書

3 地代等増減額請求の意思表示が相手方に到達した日から、将来に向かって増減額の効果が生じる。最判昭和45年6月4日

4 適正(相当)な借地料額の決定要素

① 借地料合意の基礎とした事情

② 本条1項所定の事情

5 請求を受けた者(相手方)の利益保護

① 借地権設定者が借地権者に対し増額請求した場合

  本条2項

② 借地権者が借地権設定者に対し減額請求した場合

  本条3項

〇 借地借家法12条(借地権設定者の先取特権) 

1項 借地権設定者は、弁済期の到来した最後の二年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する。

2項 前項の先取特権は、地上権又は土地の賃貸借の登記をすることによって、その効力を保存する。

3項 第一項の先取特権は、他の権利に対して優先する効力を有する。ただし、共益費用、不動産保存及び不動産工事の先取特権並びに地上権又は土地の賃貸借の登記より前に登記された質権及び抵当権には後れる。

4項 前三項の規定は、転借地権者がその土地において所有する建物について準用する。

〇 借地借家法13条(建物買取請求権)

1項 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

2項 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。

3項 前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。

〇 借地借家法14条(第三者の建物買取請求権)

 第三者が賃借権の目的である土地の上の建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

〇 借地借家法15条(自己借地権)

1項 借地権を設定する場合においては、他の者と共に有することとなるときに限り、借地権設定者が自らその借地権を有することを妨げない。

2項 借地権が借地権設定者に帰した場合であっても、他の者と共にその借地権を有するときは、その借地権は、消滅しない。

〇 借地借家法16条(強行規定) 

第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。

【参考・参照文献】

 下記文献を参考、参照して作成しました。

□ 水本浩・遠藤浩編 基本法コンメンタール 新借地借家法 1993年 日本評論社 略称:コンメ① 

□ 水本浩・遠藤浩編 基本法コンメンタール 借地借家法(第2版補正版) 2009年 日本評論社 略称:コンメ②

□ 田山輝明・澤野順彦・野澤正充編 新基本法コンメンタール 借地借家法 2014年 日本評論社 略称:コンメ

□ 近江幸治 民法講義ⅴ契約法(第4版)(2022年、成文堂)210頁

□ 中田裕康 契約法新版(2021年、有斐閣)391頁

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