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1 送達の意義
2 送達すべき書類
訴訟法上重要な効果を有する書類に限定される。
(例)
訴状副本(民訴法138条1項)、判決正本(民訴法255条1項)、控訴状(民訴法289条)、訴えの変更申立書(民訴法143条3項)
〇 民事訴訟法99条(送達実施機関)
1項 送達は、特別の定めがある場合を除き、郵便又は執行官によってする。
2項 郵便による送達にあっては、郵便の業務に従事する者を送達をする者とする。
〇 民事訴訟法101条(交付送達の原則)
送達は、特別の定めがある場合を除き、送達を受けるべき者に送達すべき書類を交付してする。
〇 民事訴訟法105条(出会送達)
前二条の規定にかかわらず、送達を受けるべき者で日本国内に住所等を有することが明らかでないもの(前条第一項前段の規定による届出をした者を除く。)に対する送達は、その者に出会った場所においてすることができる。日本国内に住所等を有することが明らかな者又は同項前段の規定による届出をした者が送達を受けることを拒まないときも、同様とする。
1 郵便に付する送達(付郵便送達)
交付送達・補充送達ができない場合、書留郵便又はこれに準ずる方法で本来の送達場所に発送する送達方法である(文献①8頁)。
発送時に送達の効果が生じ(本条3項)、名宛人(訴状の場合、被告)が現実に書類の内容を了知したか否か問わないという意味において、擬制的要素が強い。
〇 民事訴訟法109条(送達報告書)
送達をした者は、書面を作成し、送達に関する事項を記載して、これを裁判所に提出しなければならない。
1 書類の名宛人の行方が知れない場合においても裁判手続を進める必要がある。そこで、裁判所の掲示場に掲示する方法により行われる送達方法があり、これを公示送達という。擬制的送達方法の一つである。
2 公示送達の要件
① 当事者の住所等送達場所が知れない場合 本条1項1号
② 付郵便送達ができない場合 本条1項2号
③ 外国においてする送達が実施できない場合 本条2項
3 自白擬制(民訴法159条3項)は適用されない。
1 公示送達の方法を規定したものである。
1 公示送達の効力発生時期を規定したものである。
1 送達の意義及び種類
1 公示送達の意義
〇 民事訴訟法111条(公示送達の方法)
裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者にに交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。
2 公示送達の要件
〇 民事訴訟法110条(公示送達の要件)
1項 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。
1号 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
2号 第107条第1項の規定(書留郵便等に付する送達)により送達をすることができない場合
3号 (省略)
4号 (省略)
2項 前項の場合において、裁判所は、訴訟の遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達をすべきことを命ずることができる。
3項 同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第1項第4号に掲げる場合は、この限りでない。
3 公示送達の効力発生の時期
〇 民事訴訟法112条(公示送達の効力発生の時期)
1項 公示送達は、前条の掲示を始めた日から2週間を経過することによって、その効力を生ずる。ただし、第110条第3項の公示送達は、掲示を始めた日の翌日にその効力を生ずる。
2項 (省略)
3項 前二項の期間は、短縮することができない。
4 公示送達による意思表示の到達
〇 民事訴訟法113条
訴訟の当事者が相手方の所在を知ることができない場合において、相手方に対する公示送達がされた書類に、その相手方に対しその訴訟の目的である請求又は防御の方法に関する意思表示をする旨の記載があるときは、その意思表示は、第111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。
この場合においては、民法第98条第3項ただし書の規定(過失あるときの効力不発生)を準用する。
【解説】
賃貸人が賃借人に対し賃料不払いを理由とする建物明渡し請求訴訟を提起する場合、通常、提訴前に、賃貸借契約を解除する旨の通知を配達証明書付きの内容証明郵便で行う。ところが、賃借人の住所・居所等が不明な場合は、この通知を行うことができない。
そこで、訴状において、賃貸借契約を解除する旨記載した上で、公示送達により訴状が送達されれば、契約解除の効力を発生させることができる。
【参考参照文献】
下記文献を参考参照しました。
① 酒井一 法学教室480号6頁