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債権法改正、多数当事者の債権及び債務(その5
)連帯債務(3)

連帯債務(3)

【改正法

民法444条(償還をする資力のない者の負担部分の分担)

1項 連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。

2項 前項の規定する場合において、求償者及び他の資力のある者がいずれも負担部分を有しない者であるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、等しい割合で分割して負担する。

3項 前2項の規定にかかわらず、償還を受けることができないことについて求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。

    

【改正前の法】

民法444条(償還をする資力のない者の負担部分の分担

 連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。

 ただし、求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。

 

 

【解説】

1 改正法444条2項は、求償者及び他の資力ある連帯債務者の全てが負担部分を有しない者である場合、償還することができない部分についての分担に関する判例法理を明文化したものである。

2 改正法444条3項は、求償者の過失が償還を受けることができないことについてであることを明記した。

連帯債務(3)

【改正法

改正前の445条を削除する。

【改正前の法】

民法445条(連帯の免除をした場合における債権者の負担

 連帯債務者の一人が連帯の免除を得た場合において、他の連帯債務者の中に弁済をする資力のない者があるときは、債権者は、その資力のない者が弁済をすることができない部分のうち連帯の免除を得た者が負担すべき部分を負担する。

【解説】

 改正前の法では、連帯債務の一人に対する連帯の免除(相対的免除)において、弁済する資力のない者の負担部分の分担を債権者に負わせていたが、これは、債権者の通常の意思に反することから削除された。

 

連帯債務(3)

【改正法

民法445条(連帯債務者の一人との間の免除等と求償権)

 連帯債務者の一人(A)に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人(A)のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者(B)は、その一人の連帯債務者(A)に対し、第442条第1項(連帯債務者間の求償権)の求償権を行使することができる

 

【改正前の法】

民法437条(連帯債務者の一人に対する免除)→削除

 連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる。

 

第439条(連帯債務者の一人についての時効の完成)→削除

 連帯債務者の一人のために時効が完成したときは、その連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者も、その義務を免れる。

【解説】

1 改正法は、改正前の法において負担部分型の絶対効を定めていた免除及び時効完成について、相対効の原則に委ねた。

 これは、絶対効とすることは債権者の通常の意思に反すること及び連帯債務の担保的機能を弱めることから、改正されたものである。

 これを前提に、改正法は、他の連帯債務者(B)が、免除を受けた又は時効が完成した連帯債務者(A)に対し求償権を行使できることを明記した。

2 債権者(G)への求償?

  G→A 免除

  B→G 弁済

  B→A 求償(Aの負担部分)

  A→G 償還 ? 

 否定される。(理由)そのような償還を認める規定がない。

3 別段の意思表示(改正法441条)により、免除及び時効の完成について負担部分型の絶対効を認めることは可能である。

【参考・参照文献】

 このページは、下記文献を参考・参照して作成しました。

① 第一東京弁護士会司法制度調査委員会編・新旧対照でわかる改正債権法の逐条解説(平成29年、新日本法規)108頁

② 日本弁護士連合会編・実務解説改正債権法(第2版)(2020年、弘文堂)頁

③ 伊藤栄寿 ケースで考える債権法改正 第16回連帯債務

 法学教室478号75頁

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