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民事訴訟法 第2編 第一審の訴訟手続 第8章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則
○ 民事訴訟法270条(手続の特色)
簡易裁判所においては、簡易な手続により迅速に紛争を解決するものとする。
1 簡易裁判所は、審級上最下級の裁判所である。軽微な事件を簡易迅速に紛争を解決することを趣旨としている。
2 簡易裁判所で行われる手続
(1)訴訟手続
① 通常訴訟 民訴法270条~280条
訴額140万円以下の事件を取り扱う(裁判所法33条1項1号)
② 少額訴訟 民訴法第6編(同法368条~381条)
(2)督促事件
民訴法第7編(同法382条~402条)
(3)調停事件等
① 起訴前(即決)和解 民訴法275条
② 民事調停(民事調停法)
③ 特定調停事件(特定調停法)
3 訴訟手続の関与者
(1)裁判所
① 簡易裁判所判事
裁判所法44条、裁判所45条(非法律家を選考)
② 司法委員
民訴法279条
(2)当事者及び代理人
① 許可代理
民訴法54条1項ただし書 ※
② 司法書士
司法書士法3条2項
※ 民訴法54条(訴訟代理人の資格)
1項 法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
2 前項の許可は、いつでも取り消すことができる。
○ 民事訴訟法271条(口頭による訴えの提起)
訴えは、口頭で提起することができる。
通常訴訟における書面提出の原則(民訴法133条1項)及び記載事項(同条2項)の例外を許容する。
○ 民事訴訟法272条(訴えの提起において明らかにすべき事項)
訴えの提起においては、請求の原因に代えて、紛争の要点を明らかにすれば足りる。
通常訴訟における書面提出の原則(民訴法133条1項)及び記載事項(同条2項)の例外を許容する。
○ 民事訴訟法273条(任意の出頭による訴えの提起等)
当事者双方は、任意に裁判所に出頭し、訴訟について口頭弁論をすることができる。この場合においては、訴えの提起は、口頭の陳述によってする。
口頭による訴えの提起の一種である。
○ 民事訴訟法274条(反訴の提起に基づく移送)
1項 被告が反訴で地方裁判所の管轄に属する請求をした場合において、相手方の申立てがあるときは、簡易裁判所は、決定で、本訴及び反訴を地方裁判所に移送しなければならない。この場合においては、第二十二条の規定を準用する。
2項 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
○ 民事訴訟法第二百七十五条(訴え提起前の和解)
1項 民事上の争いについては、当事者は、請求の趣旨及び原因並びに争いの実情を表示して、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に和解の申立てをすることができる。
2項 前項の和解が調わない場合において、和解の期日に出頭した当事者双方の申立てがあるときは、裁判所は、直ちに訴訟の弁論を命ずる。この場合においては、和解の申立てをした者は、その申立てをした時に、訴えを提起したものとみなし、和解の費用は、訴訟費用の一部とする。
3項 申立人又は相手方が第一項の和解の期日に出頭しないときは、裁判所は、和解が調わないものとみなすことができる。
4項 第一項の和解については、第二百六十四条及び第二百六十五条の規定は、適用しない。
○ 民事訴訟法275条の2(和解に代わる決定)
1項 金銭の支払の請求を目的とする訴えについては、裁判所は、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、被告の資力その他の事情を考慮して相当であると認めるときは、原告の意見を聴いて、第三項の期間の経過時から五年を超えない範囲内において、当該請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをして、当該請求に係る金銭の支払を命ずる決定をすることができる。
2項 前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。
3項 第一項の決定に対しては、当事者は、その決定の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、その決定をした裁判所に異議を申し立てることができる。
4項 前項の期間内に異議の申立てがあったときは、第一項の決定は、その効力を失う。
5項 第三項の期間内に異議の申立てがないときは、第一項の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。
○ 民事訴訟法276条(準備書面の省略等)
1項 口頭弁論は、書面で準備することを要しない。
2項 相手方が準備をしなければ陳述をすることができないと認めるべき事項は、前項の規定にかかわらず、書面で準備し、又は口頭弁論前直接に相手方に通知しなければならない。
3項 前項に規定する事項は、相手方が在廷していない口頭弁論においては、準備書面(相手方に送達されたもの又は相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出されたものに限る。)に記載し、又は同項の規定による通知をしたものでなければ、主張することができない。
○ 民事訴訟法277条(続行期日における陳述の擬制)
第百五十八条の規定(訴状等の陳述の擬制)は、原告又は被告が口頭弁論の続行の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしない場合について準用する。
○ 民事訴訟法278条(尋問等に代わる書面の提出)
裁判所は、相当と認めるときは、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見の陳述に代え、書面の提出をさせることができる。
○ 民事訴訟法279条(司法委員)
1項 裁判所は、必要があると認めるときは、和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができる。
2項 司法委員の員数は、各事件について一人以上とする。
3項 司法委員は、毎年あらかじめ地方裁判所の選任した者の中から、事件ごとに裁判所が指定する。
4項 前項の規定により選任される者の資格、員数その他同項の選任に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
5項 司法委員には、最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。
○ 民事訴訟法280条(判決書の記載事項)
判決書に事実及び理由を記載するには、請求の趣旨及び原因の要旨、その原因の有無並びに請求を排斥する理由である抗弁の要旨を表示すれば足りる。
○ 民事訴訟法
○ 民事訴訟法
○ 民事訴訟法
○ 民事訴訟法
○ 民事訴訟法
【参考・参照文献】
このページは、次の文献を参考・参照して作成しました。
① 藤田広美・講義民事訴訟(第2版)520頁(2011年、東京大学出版会)
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