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民事執行法 強制執行法 不動産に対する強制執行・強制競売(2)

 民事執行法 第2章 強制執行
第2節金銭の支払を目的とする債権についての強制執行第1款 不動産に対する強制執行
第2目 強制競売

  条 ~ 92条

○ 民事執行法61条(一括売却)

 執行裁判所は、相互の利用上不動産を他の不動産(差押債権者又は債務者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの不動産を一括して売却することを定めることができる。ただし、一個の申立てにより強制競売の開始決定がされた数個の不動産のうち、あるものの買受可能価額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがある場合には、債務者の同意があるときに限る。

○ 民事執行法62条(物件明細書)

1項 裁判所書記官は、次に掲げる事項を記載した物件明細書を作成しなければならない。

一 不動産の表示

二 不動産に係る権利の取得及び仮処分の執行で売却によりその効力を失わないもの

三 売却により設定されたものとみなされる地上権の概要

2項 裁判所書記官は、前項の物件明細書の写しを執行裁判所に備え置いて一般の閲覧に供し、又は不特定多数の者が当該物件明細書の内容の提供を受けることができるものとして最高裁判所規則で定める措置を講じなければならない。

3項 前二項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

4項 第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

○ 民事執行法63条(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置)

1項 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第四十七条第六項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。

一 差押債権者の債権に優先する債権(以下この条において「優先債権」という。)がない場合において、不動産の買受可能価額が執行費用のうち共益費用であるもの(以下「手続費用」という。)の見込額を超えないとき。

二 優先債権がある場合において、不動産の買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないとき。

2 差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から一週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。

 ただし、差押債権者が、その期間内に、前項各号のいずれにも該当しないことを証明したとき、又は同項第二号に該当する場合であつて不動産の買受可能価額が手続費用の見込額を超える場合において、不動産の売却について優先債権を有する者(買受可能価額で自己の優先債権の全部の弁済を受けることができる見込みがある者を除く。)の同意を得たことを証明したときは、この限りでない。

一 差押債権者が不動産の買受人になることができる場合 申出額に達する買受けの申出がないときは、自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出及び申出額に相当する保証の提供

二 差押債権者が不動産の買受人になることができない場合 買受けの申出の額が申出額に達しないときは、申出額と買受けの申出の額との差額を負担する旨の申出及び申出額と買受可能価額との差額に相当する保証の提供

3項 前項第二号の申出及び保証の提供があつた場合において、買受可能価額以上の額の買受けの申出がないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。

4項 第二項の保証の提供は、執行裁判所に対し、最高裁判所規則で定める方法により行わなければならない。

○ 民事執行法64条(売却の方法及び公告)

1項 不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。

2項 不動産の売却の方法は、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。

3項 裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却をするときは、売却の日時及び場所を定め、執行官に売却を実施させなければならない。

4項 前項の場合においては、第二十条において準用する民事訴訟法第九十三条第一項の規定にかかわらず、売却決定期日は、裁判所書記官が、売却を実施させる旨の処分と同時に指定する。

5項 第三項の場合においては、裁判所書記官は、売却すべき不動産の表示、売却基準価額並びに売却の日時及び場所を公告しなければならない。

6項 第一項、第三項又は第四項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

7項 第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

<売却方法の種類>

 裁判所書記官の定める売却方法(本条1項)

 執行裁判所の権限 → 裁判所書記官の権限

 (平成16年民訴法改正)

 

<方法>

① 入札(民執規34条)

a 期日入札

入札人が入札期日に入札をした後、引き続き改札を行い、最高価買受申出人・次順位買受申出人を決める。

b 期間入札

入札期間を定めて、その期間内に入札人が入札をした後、別に開札期日を定めて開札を行い、最高価買受申出人・次順位買受申出人を決める。

② 競り売り(民執規50条)

競り売り期日に買受けに申出の額を競り上げさせ、最高価買受申出人・次順位買受申出人を決める。

③ 特別売却(民執規51条1項)

裁判所書記官は、入札・競り売りの方法により売却を実施させても適法な買受けの申出がなかったとき、執行官に対し、他の方法により不動産の売却を実施すべき旨を命ずることができる。

 

 以上の売却方法のうち最も活用されているのが、期間入札である。

(例解226頁)

<期間入札>

1 入札期間の指定

裁判所書記官

(1)

入札期間 1週間以上 ~ 1か月以内

開札期日 入札期間の満了後1週間以内の日

(民執法64条3項、民執規46条1項)

 

(2)

売却実施処分と同時

売却決定期日 開札期日から1週間以内の日

(民執法64条4項、民執規46条2項)

2 入札期間の通知

裁判所書記官は、入札期日等を定めたときは、次に掲げる者に対し、入札期日等を開く日時及び場所を通知しなければならない。

一 差押債権者及び債務者

二 配当要求をしている債権者

三 当該不動産について差押えの登記前に登記がされた権利を有する者

四 知れている抵当証券の所持人及び裏書人

五 その他執行裁判所が相当と認める者

民執規49条・民執規37条)

 

五号の例:差押えの登記前の登記を有しない用益権者、差押えの登記後に登記した第三取得者、不動産の共有持分の売却の場合の他の共有持分権者

3 期間入札の公告等(民執法64条5項)(期日入札の公告等)

民執規49条・民執規36条 

1項 裁判所書記官は、入札期日及び売却決定期日(次条において「入札期日等」という。)を定めたときは、入札期日の二週間前までに、法第六十四条第五項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を公告しなければならない。

一 事件の表示

二 売却決定期日を開く日時及び場所

三 買受可能価額(法第六十条第三項に規定する買受可能価額をいう。)

四 買受けの申出の保証の額及び提供の方法

五 法第六十一条の規定により不動産を一括して売却することを定めたときは、その旨

六 第三十三条の規定により買受けの申出をすることができる者の資格を制限したときは、その制限の内容

七 不動産に対して課される租税その他の公課の額

八 物件明細書、現況調査報告書及び評価書の内容が入札期日の一週間前までに公開される旨及び公開の方法

2項 裁判所書記官は、不動産所在地の市町村に対し、公告事項を記載した書面を当該市町村の掲示場に掲示するよう入札期日の二週間前までに嘱託しなければならない。ただし、公告事項の要旨及び不動産の買受けの申出の参考となるべき事項を公示したときは、この限りでない。

   

 

 

(例解228頁)

○ 民事執行法64条の2(内覧)

1項 執行裁判所は、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てがあるときは、執行官に対し、内覧(不動産の買受けを希望する者をこれに立ち入らせて見学させることをいう。以下この条において同じ。)の実施を命じなければならない。

 ただし、当該不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者及び第五十九条第一項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができる場合で当該占有者が同意しないときは、この限りでない。

2項 前項の申立ては、最高裁判所規則で定めるところにより、売却を実施させる旨の裁判所書記官の処分の時までにしなければならない。

3項 第一項の命令を受けた執行官は、売却の実施の時までに、最高裁判所規則で定めるところにより内覧への参加の申出をした者(不動産を買い受ける資格又は能力を有しない者その他最高裁判所規則で定める事由がある者を除く。第五項及び第六項において「内覧参加者」という。)のために、内覧を実施しなければならない。

4項 執行裁判所は、内覧の円滑な実施が困難であることが明らかであるときは、第一項の命令を取り消すことができる。

5項 執行官は、内覧の実施に際し、自ら不動産に立ち入り、かつ、内覧参加者を不動産に立ち入らせることができる。

6項 執行官は、内覧参加者であつて内覧の円滑な実施を妨げる行為をするものに対し、不動産に立ち入ることを制限し、又は不動産から退去させることができる。

○ 民事執行法65条(売却の場所の秩序維持)

 執行官は、次に掲げる者に対し、売却の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は買受けの申出をさせないことができる。

一 他の者の買受けの申出を妨げ、若しくは不当に価額を引き下げる目的をもつて連合する等売却の適正な実施を妨げる行為をし、又はその行為をさせた者

二 他の民事執行の手続の売却不許可決定において前号に該当する者と認定され、その売却不許可決定の確定の日から二年を経過しない者

三 民事執行の手続における売却に関し刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十五条から第九十六条の五まで、第百九十七条から第百九十七条の四まで若しくは第百九十八条、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第三条第一項第一号から第四号まで若しくは第二項(同条第一項第一号から第四号までに係る部分に限る。)又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成十二年法律第百三十号)第一条第一項、第二条第一項若しくは第四条の規定により刑に処せられ、その裁判の確定の日から二年を経過しない者

○ 民事執行法65条の2(暴力団員等に該当しないこと等の陳述)

 不動産の買受けの申出は、次の各号のいずれにも該当しない旨を買受けの申出をしようとする者(その者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、その者が法人である場合にあつてはその代表者)が最高裁判所規則で定めるところにより陳述しなければ、することができない。

一 買受けの申出をしようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この目において「暴力団員等」という。)であること。

二 自己の計算において当該買受けの申出をさせようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員等であること。

○ 民事執行法66条(買受けの申出の保証)

 不動産の買受けの申出をしようとする者は、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所が定める額及び方法による保証を提供しなければならない。

○ 民事執行法67条(次順位買受けの申出)

 最高価買受申出人に次いで高額の買受けの申出をした者は、その買受けの申出の額が、買受可能価額以上で、かつ、最高価買受申出人の申出の額から買受けの申出の保証の額を控除した額以上である場合に限り、売却の実施の終了までに、執行官に対し、最高価買受申出人に係る売却許可決定が第八十条第一項の規定により効力を失うときは、自己の買受けの申出について売却を許可すべき旨の申出(以下「次順位買受けの申出」という。)をすることができる。

○ 民事執行法68条(債務者の買受けの申出の禁止)

 債務者は、買受けの申出をすることができない。

○ 民事執行法68条の2(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)

1項 執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法により売却を実施させても買受けの申出がなかつた場合において、債務者又は不動産の占有者が不動産の売却を困難にする行為をし、又はその行為をするおそれがあるときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。次項において同じ。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、担保を立てさせて、次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)を命ずることができる。

一 債務者又は不動産の占有者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官又は申立人に引き渡すことを命ずること。

二 執行官又は申立人に不動産の保管をさせること。

2項 差押債権者は、前項の申立てをするには、買受可能価額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の入札又は競り売りの方法による売却の実施において申出額に達する買受けの申出がないときは自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出をし、かつ、申出額に相当する保証の提供をしなければならない。

3項 事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。

4項 第五十五条第二項の規定は第一項に規定する保全処分について、同条第三項の規定は第一項の規定による決定について、同条第六項の規定は第一項の申立てについての裁判、前項の規定による裁判又は同項の申立てを却下する裁判について、同条第七項の規定は前項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は第一項に規定する保全処分を命ずる決定について、第五十五条第十項の規定は第一項の申立て又は同項の規定による決定の執行に要した費用について、第六十三条第四項の規定は第二項の保証の提供について準用する。

○ 民事執行法68条の3(売却の見込みのない場合の措置)

1項 執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法による売却を三回実施させても買受けの申出がなかつた場合において、不動産の形状、用途、法令による利用の規制その他の事情を考慮して、更に売却を実施させても売却の見込みがないと認めるときは、強制競売の手続を停止することができる。この場合においては、差押債権者に対し、その旨を通知しなければならない。

2項 差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から三月以内に、執行裁判所に対し、買受けの申出をしようとする者があることを理由として、売却を実施させるべき旨を申し出たときは、裁判所書記官は、第六十四条の定めるところにより売却を実施させなければならない。

3項 差押債権者が前項の期間内に同項の規定による売却実施の申出をしないときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消すことができる。同項の規定により裁判所書記官が売却を実施させた場合において買受けの申出がなかつたときも、同様とする。

○ 民事執行法68条の4(調査の嘱託)

1項 執行裁判所は、最高価買受申出人(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、最高価買受申出人が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。

2項 執行裁判所は、自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者があると認める場合には、当該買受けの申出をさせた者(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、買受けの申出をさせた者が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。

○ 民事執行法条

○ 民事執行法条

○ 民事執行法条

【参照・参考文献】

下記文献を参照・参考して、作成しました。

平野哲郎 実践民事執行法民事保全法(第3版)(2020、日本評論社)(略称:平野)

②中西正・中島弘雅・八田卓也・青木哲 リーガル・クエスト民事執行・民事保全法(2021年、有斐閣)(略称:LQ)

例題解説不動産競売の実務(全訂新版)(平成24年、法曹会)(略称:例解) 

 

 

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