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民事訴訟の手続 裁判

民事訴訟法 第1編 総則
第5章 訴訟手続
第5節 裁判
(114条~123条)

既判力総論

1 確定判決が有する拘束力を「既判力」という。訴訟法上、確定判決後に、裁判所の訴訟・非訟の手続において、裁判所や当事者に対する拘束力として現れる。

2 既判力の視点

(1)どのような判断に既判力が生ずるか。

(2)誰と誰との間に既判力が生ずるか。

(3)既判力の効力

○ 民事訴訟法114条(既判力の範囲)
1項 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。
2項 相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。

1 既判力の客体的(客観的)範囲

① 本案判決の判断のうち結論部分に当たる

  訴訟物の存在又は不存在

② 主文を導くための理由中の判断

ⅰ 原則 既判力は生じない。

ⅱ 例外 相殺(本条2項)  

 

2 既判力の基準時(時的限界)

① 確定判決が訴訟物に対する判断の基礎とするのは事実審の口頭弁論終結時までに提出された主張と取り調べられた証拠である。

② 事実審で判決書を作成する裁判所を構成するのは、口頭弁論を終結した口頭弁論期日に関与した裁判官である(249条1項、297条[控訴審に準用])。

3 1,2をまとめると、既判力は、訴訟物の内容となっている権利や法律関係が事実審の口頭弁論終結時に存在したこと又は存在しなかったことの判断に生ずる。

 

〇 民事訴訟法115条(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)

1項 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。

一 当事者

二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人

三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人

四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者

2項 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。

 

 □ 既判力の主体(主体)的判断

(1)訴訟当事者間 本条1項1号

 これが原則であり、判決の相対効の原則の現れである。

(2)既判力の拡張

 確定判決の実効性を確保する必要性 + 既判力拡張の正当性

① 「被担当者」・「相手方当事者」間

  115条1項2号

 当事者(X)が他人(A)のために原告又は被告となった場合のその他人(A)

(例)X(債権者)→A(債務者、無資力)

   A→貸金債権→Y(第三債務者)

   債権者代位訴訟(民法423条1項)

   X:原告、Aを被担当者とする担当、Y:被告

 

   本案判決が確定すると、既判力が

   XY間 115条1項1号 に加えて

   AY間 115条1項2号

   に生ずる。

② 「口頭弁論終結後の承継人」「相手方当事者」間

  115条1項3号

(例)X(原告)→(貸金債権)→Y(被告)

 確定判決後、Xが死亡し、その相続人AがXの権利義務を承継した。

 

  本案判決が確定すると、既判力が

   XY間 115条1項1号 に加えて

   AY間 115条1項3号

   に生ずる。

 

  訴訟物について原告又は被告となることを基礎付ける実体法上の地位を承継したことで、実体法上、当事者に依存する地位にある者をいう(垣内秀介)。

③ 「目的物の所持人」・「相手方当事者」間

  115条1項4号

 

ⅰ 特定物の引渡しを請求する訴訟の確定判決

ⅱ 当該物について:独立の占有を有している & 占有について、独自の法律上の利益を有しない。

ⅲ 3号と異なり、基準時より前から生じていた場合も含む。 

(例)X(原告)→(住居用建物の賃貸借契約終了に伴う目的物の返還請求権)→Y(被告)

 A:Y(賃貸借契約の賃借人)の同居人

   XY間 115条1項1号 に加えて

   AY間 115条1項3号

   に生ずる。

〇 民事訴訟法116条(判決の確定時期)
1項 判決は、控訴若しくは上告(第三百二十七条第一項(第三百八十条第二項において準用する場合を含む。)の上告を除く。)の提起、第三百十八条第一項の申立て又は第三百五十七条(第三百六十七条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第三百七十八条第一項の規定による異議の申立てについて定めた期間の満了前には、確定しないものとする。
2項 判決の確定は、前項の期間内にした控訴の提起、同項の上告の提起又は同項の申立てにより、遮断される。

1 上訴等による判決確定の遮断(本条第1項)

① 終局判決に対する上訴

ⅰ 控訴の提起 286条1項

ⅱ 上告の提起 314条1項

ⅲ 上告の受理の申立て 318条1項

② ①以外

ⅰ 手形訴訟・小切手訴訟の終局判決に対する異議の申立て 357条、367条2項

ⅱ 少額訴訟の終局判決に対するに対する異議の申立て 378条1項

2 上訴等がなければ、上訴等について定められた期間(上訴期間、285条[準用:313条、318条5項])の満了時に確定する(本条2項)。

3 形式的確定力

 判決は、確定により、上訴等の通常の不服申立方法により、覆すことができない。 

□ 既判力の作用

1 既判力の現れ方

 後訴において訴えの適法性の問題として現れるのではない。

 後訴の本案の審理及び判決に対する裁判所及び当事者への拘束力として現れる。

2 積極的作用と消極的作用

① 積極的作用

 裁判所に対する拘束力

 後訴裁判所は、前訴の訴訟物について既判力が生じた判断を前提に判決をしなければならない。

② 消極的作用

 当事者は、既判力に反する主張や証拠申出をすることはできず、裁判所は、かかる主張や証拠申出の内容について審理できない。

3 

① 訴訟物が同一の場合

ⅰ 前訴の敗訴者が再度訴え提起した場合

 基準時より後に新たに有利な事情が生じたとの主張のみ審理され、判決の基礎として判断される。

ⅱ 前訴の勝訴者が再訴した場合

 既判力の問題というよりも、訴えの利益に関わる問題

② 先後関係

 例えば、

 遺産確認の訴えの確定判決 → 遺産分割審判手続

③ 矛盾関係

 前訴 XのYに対する所有権確認の訴え Xに所有権がある

 後訴 YのXに対する所有権確認の訴え

 

 Xに所有権があるとの判断について既判力が発生

→ 一物一権主義より、Yに所有権がないことにも既判力が発生

 

  

 

【参考参照文献】

 下記文献を参考参照しました。

① 笠井正俊 講座流れをつかむ民事訴訟法 第16回 判決の確定と確定判決の効力 法学教室514号76頁

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