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物権法-所有権(その1)

民法 第2編 物権

第3章 所有権

第1節 所有権の限界

第1款 所有権の内容及び範囲

〇 民法206条(所有権の内容)

 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

〇 民法207条(土地所有権の範囲) 

 土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。

第2款 相隣関係 

 〇 民法209条(隣地の使用請求) 

1項 土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。

 ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。

2項 前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償還を請求することができる。 

 〇 民法209条(隣地の使用)【令和3年改正、未施行】 

1項 土地の所有者は、次に掲げる目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない。 

一 境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕 

 二 境界標の調査又は境界に関する測量 

 三 第二百三十三条第三項の規定による枝の切取り   

2項 前項の場合には、使用の日時、場所及び方法は、隣地の所有者及び隣地を現に使用している者(以下この条において「隣地使用者」という。)のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。   

3項 第一項の規定により隣地を使用する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければならない。

 ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく、通知することをもって足りる。  

4項 第一項の場合において、隣地の所有者又は隣地使用者が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。

1 使用目的

 新法(令和3年改正)は、旧法より拡大した。文献⑤Q8

(旧法)

① 境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため

 

 使用目的に関する規定は、限定列挙ではなく、例示列挙と考えるのが一般的であった(文献④35頁)。

(新法)

① 境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去(※)又は修繕 

 ② 境界標の調査又は境界に関する測量 

 ③ 第233条3項の規定による枝(越境した枝)の切取り

 

※ 新法で、「収去」が加えられたことについて、急増する空き家の円滑な解体に資することが期待される(文献④35頁)。

2 1の使用目的のため必要な範囲

3  使用を請求することができる権利(旧法)

  使用する権利(新法)

(旧法)

 隣地の使用を許可すべき請求権と考えて、隣地所有者が使用を承諾しない場合、承諾に代わる裁判が必要であると考える見解が一般であった。

 このように解すると、隣地所有者が特定困難であり、又は所在不明である場合には、隣地を使用するに至るまでの時間や手間が大きかった(文献④36頁)。

(新法)

① 使用請求権(旧法)ではなく、使用権(新法)とした。

② しかしながら、自力執行が許されることになったのではない。隣地使用者(後記)が使用を拒否した場合は、裁判手続による解決が必要である。文献⑤Q10

4 保護の相手方

(旧法)

 (隣地の)「所有者」

(新法)

  (隣地の)「所有者」及び「現に使用している者」

  → まとめて「隣地使用者」

5 使用の方法 文献⑤Q8

 使用の日時・場所・方法が隣地使用者にとって最も損害が少ないものであること(新法で新設[本条2項])

6 使用の手続 文献⑤Q9

  ①又は②(新法で新設[本条3項])

① 事前通知(原則)

 使用の日時・場所・方法を隣地使用者に通知

[趣旨]事前通知により、隣接地所有者等は、当該隣地使用の内容が民法の要件を充足するか否かを判断し、事案によっては、別の日時・場所・方法を提案する機会が与えられるとともに、隣地使用を受け入れる準備をする機会を確保する。文献⑤29頁

 

 隣地が共有に属する場合には、共有者全員に通知する必要がある。文献⑤29頁

 

② 事後通知

 事前通知が困難な場合

 

 文献⑤30頁は、次の事案を例として挙げる。

・ 建物を早急に修繕しなければ、その建物に居住することが困難になる等の急迫の事情がある。

・ 隣地所有者等が特定できず、又はその所在が不明である。

7 限界

 住家に立ち入るためには、隣人(居住者)の承諾が必要である。この承諾がない場合は、判決をもって代えることはできないと解されている。

 「住家」は、建物のうちプライバシーの保護を要する部分に限られ、屋根・屋上・(建物外部の)非常階段は該当しない(文献④37頁)。該当しない部分は、隣地の使用に準じて考える見解がある。

8 損害賠償請求

 旧法2項、新法4項

[参考・参照文献]文献④35頁(鳥山泰志) 

 〇 民法210条(公道に至るための他の土地の通行権)

1項 他人の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

2項 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

 〇 民法211条

1項 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。

2項 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。

 〇 民法212条

 第210条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。

 ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、1年ごとにその償金を支払うことができる。

 〇 民法213条

1項 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。

 この場合においては、償金を支払うことを要しない。

2項 前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。

 〇 民法213条の2(継続的給付を受けるための設備の設置権等)[令和3年改正(未施行)]

1項 土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付(以下この項及び次条第一項において「継続的給付」という。)を受けることができないときは、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができる。  

2項 前項の場合には、設備の設置又は使用の場所及び方法は、他の土地又は他人が所有する設備(次項において「他の土地等」という。)のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。   

3項 第一項の規定により他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用する者は、あらかじめ、その目的、場所及び方法を他の土地等の所有者及び他の土地を現に使用している者に通知しなければならない。   

4項 第一項の規定による権利を有する者は、同項の規定により他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用するために当該他の土地又は当該他人が所有する設備がある土地を使用することができる。この場合においては、第二百九条第一項ただし書及び第二項から第四項までの規定を準用する。  

5項 第一項の規定により他の土地に設備を設置する者は、その土地の損害(前項において準用する第二百九条第四項に規定する損害を除く。)に対して償金を支払わなければならない。ただし、一年ごとにその償金を支払うことができる。  

6項 第一項の規定により他人が所有する設備を使用する者は、その設備の使用を開始するために生じた損害に対して償金を支払わなければならない。   

7項 第一項の規定により他人が所有する設備を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、その設置、改築、修繕及び維持に要する費用を負担しなければならない。

〇 民法213条の2[令和3年改正(未施行)]

1項 分割によって他の土地に設備を設置しなければ継続的給付を受けることができない土地が生じたときは、その土地の所有者は、継続的給付を受けるため、他の分割者の所有地のみに設備を設置することができる。この場合においては、前条第五項の規定は、適用しない。   

2項 前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。

【令和3年改正】

1 旧法では、電気・水道・ガス・通信といったライフラインを確保するために他人の土地を使用する、又は他人の土地の所有者が設置した設備を使用することに関する規定を欠いていた。

 このような必要性があった場合、相隣関係に関する民法の規定や下水道法の規定を類推適用して、紛争解決を図る場合があった。

 新法は、ライフラインの設置等に関する規定を新設した。

2 要件

(1)必要性

 土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないとき(213条の2第1項)

 

 下水道は「これらに類する継続的給付」に当たる。

(2)程度及び範囲

① 継続的給付を受けるため必要な範囲内(213条の2第1項

② 設備の設置又は使用の場所及び方法が他の土地又は他人が所有する設備のために損害が最も少ないもの(213条の2第2項)

(3)手続

① 通知

 他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用する者は、あらかじめ、その目的、場所及び方法を他の土地等の所有者及び他の土地を現に使用している者に通知する(213条の2・第3項)

② 償金又は費用支払い

ⅰ 設備設置の場合

 他の土地に設備を設置する者は、その土地の損害(前項において準用する第二百九条第四項に規定する損害を除く。)に対して償金を支払わなければならない。

 一年ごとにその償金を支払うことができる。

 213条の2第5項  

ⅱ 設備使用の場合

a 他人が所有する設備を使用する者は、その設備の使用を開始するために生じた損害に対して償金を支払わなければならない。213条の2第6項

b 他人が所有する設備を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、その設置、改築、修繕及び維持に要する費用を負担しなければならない。213条の2第7項

(4)権利の内容

 継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができる(213条の2第1項)。/他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用するために当該他の土地又は当該他人が所有する設備がある土地を使用することができる。この場合においては、第二百九条第一項ただし書及び第二項から第四項までの規定を準用する(213条の2第4項)

 

 「使用することができる」の意味

① 他人の土地の所有者に土地使用や設備設置等を受忍する義務を負わせる。

② 他人の土地の所有者が拒否した場合は、妨害差止めの判決を得る必要がある。

 〇 民法214条(自然水流に対する妨害の禁止)

 土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはならない。

 民法215条(水流の障害の除去)

 水流が天災その他避けることのできない事変により低地において閉塞したときは、高地の所有者は、自己の費用で、水流の障害を除去するため必要な工事をすることができる。

 〇 民法216条(水流に関する工作物の修繕等)

 他の土地に貯水、排水又は引水のために設けられた工作物の破壊又は閉塞により、自己の土地に損害が及び、又は及ぶおそれがある場合には、その土地の所有者は、当該他の土地の所有者に、工作物の修繕若しくは障害の除去をさせ、又は必要があるときは予防工事をさせることができる。

 〇 民法217条(費用の負担についての慣習)

 前二条の場合において、費用の負担について別段の慣習があるときは、その慣習に従う。

  民法218条(雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止)

 土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。

 〇 民法219条(水流の変更)

1項 溝、堀その他の水流地の所有者は、対岸の土地が他人の所有に属するときは、その水路又は幅員を変更してはならない。

2項 両岸の土地が水流地の所有者に属するときは、その所有者は、水路及び幅員を変更することができる。ただし、水流が隣地と交わる地点において、自然の水路に戻さなければならない。

3項 前二項の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

 〇 民法221条(通水用工作物の使用)

1項 土地の所有者は、その所有地の水を通過させるため、高地又は低地の所有者が設けた工作物を使用することができる。

2項 前項の場合には、他人の工作物を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。

 〇 民法222条(堰の設置及び使用)

1項 水流地の所有者は、堰を設ける必要がある場合には、対岸の土地が他人の所有に属するときであっても、その堰を対岸の土地に付着させて設けることができる。ただし、これによって生じた損害に対して償金を支払わなければならない。 

2項 対岸の土地の所有者は、水流地の一部がその所有に属するときは、前項の堰を使用することができる。

3 前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

 〇 民法223条(境界標の設置)

 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。

 〇 民法224条(境界標の設置及び保存の費用)

 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。

 ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。

 〇 民法224条(境界標の設置及び保存の費用)

 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。

 ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。

 〇 民法224条(境界標の設置及び保存の費用)

 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。

 ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。

 〇 民法225条(囲障の設置)

1項 二棟の建物がその所有者を異にし、かつ、その間に空地があるときは、各所有者は、他の所有者と共同の費用で、その境界に囲障を設けることができる。

2項 当事者間に協議が調わないときは、前項の囲障は、板塀又は竹垣その他これに類する材料のものであって、かつ、高さ2メートルのものでなければならない。

  民法226条(囲障の設置及び保存の費用)

 前条の囲障の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。

  民法227条(相隣者の一人による囲障の設置)

 相隣者の一人は、第225条第2項に規定する材料より良好なものを用い、又は同項に規定する高さを増して囲障を設けることができる。

 ただし、これによって生ずる費用の増加額を負担しなければならない。

  民法228条(囲障の設置等に関する慣習)

 前三条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

 〇 民法229条(境界標等の共有の推定)

 境界線上に設けられた境界標、囲障、障壁、溝及び塀は、相隣者の共有に属するものと推定する。

 〇 民法230条

1項 一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁については、前条の規定は、適用しない。

2項 高さの異なる二棟の隣接する建物を隔てる障壁の高さが、低い建物の高さを超えるときは、その障壁のうち低い建物の高さを超える部分についても、前項と同様とする。

 ただし、防火障壁については、この限りでない。

 〇 民法231条(共有の障壁の高さを増す工事)

1項 相隣者の一人は、共有の障壁の高さを増すことができる。ただし、その障壁がその工事に耐えないときは、自己の費用で、必要な工作を加え、又はその障壁を改築しなければならない。

2項 前項の規定により障壁の高さを増したときは、その高さを増した部分は、その工事をした者の単独の所有に属する。

〇 民法232条

 前条の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。

 〇 民法233条(竹木の枝の切除及び根の切取り)

1項 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。

2項 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

 〇 民法233条(竹木の枝の切除及び根の切取り)[令和3年改正(未施行)]

1項 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。 

 2項 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。 

 3項 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。 

 一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。 

 二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。 

 三 急迫の事情があるとき。 

4項 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

[令和3年改正(未施行)]について

1 改正の趣旨

① 隣地から越境した竹木の枝と根について取扱いを異にする旧法の取扱いは、合理性がない。

② 竹木の枝が越境した場合で竹木の所有者が自主的に切除しない場合、(越境の被害を受けた)土地所有者は、訴えを提起し、判決その後の強制執行の手続を経なければ切除できないとするのは、負担が重すぎる。

2 新法は、基本的には、旧法の取扱いを承継した上、下記①②③に当たる場合、例外的に、(越境の被害を受けた)土地所有者が、越境に係る枝を自ら切除できることを認めた(本条3項)。

[1号]竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。

[2号]竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。 

[3号]急迫の事情があるとき。

3 新法は、竹木が共有されている場合の取扱いを新たに設けた(本条2項)。 

 (越境の被害を受けている)土地所有者は、共有者の一人に対し、越境に係る枝の切除請求について給付判決を得た上、強制執行(代替執行)することができる。

 

【参考参照文献】

以下の文献を参考参照して作成しました。

〇 荒井達也 Q&A 令和3年 民法・不動産登記法 改正の要点と実務への影響(2021年、日本加除出版)168頁

 

 

 〇 民法234条(境界線付近の建築の制限)

1項 建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない。

2項 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。

 ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

  民法235条

1項 境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。

2項 前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。

  民法236条(境界線付近の建築に関する慣習)

 前二条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

 民法237条(境界線付近の掘削の制限)

1項 井戸、用水だめ、下水だめ又は肥料だめを掘るには境界線から二メートル以上、池、穴蔵又はし尿だめを掘るには境界線から一メートル以上の距離を保たなければならない。

2項 導水管を埋め、又は溝若しくは堀を掘るには、境界線からその深さの二分の一以上の距離を保たなければならない。ただし、一メートルを超えることを要しない。

  民法238条(境界線付近の掘削に関する注意義務)

 境界線の付近において前条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。

【参考・参照文献】

 以下の文献を参考・参照して、このページを作成しました。

① 鎌田薫・松岡久和・松尾弘編、新基本法コンメンタール物権(令和元年、日本評論社)82頁

② 荒井達也 Q&A 令和3年 民法・不動産登記法 改正の要点と実務への影響(2021年、日本加除出版)

③ 秋山靖浩 相隣関係 ジュリスト1543号48頁

④ 特集 所有者不明土地と民法・不動産登記法改正

  ジュリスト1562号

⑤ 村松秀樹・大谷太編著Q&A令和3年改正民法・改正不登法・相続土地国庫帰属法(2022年、きんざい)23頁

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